1962年創業。素形材から加工・組立・試験までの一貫生産体制で建設機械部品、また農業や産業の機械部品制作を行う金属部品加工メーカー。主な取引先は川崎重工業、ヤンマーなど。川崎重工業が手掛ける国内初の「手術支援ロボットhinotori」への部品供給、医療・ロボットの分野にも業務の幅を広げている。
まずは、サポートセンター取締役 総務・購買管理部長の吉井浩二さんにお話をお伺いしました。
《社員さんへのインタビュー》
サポートセンター取締役 総務・購買管理部長の吉井浩二さん

記者:どのような事業をする会社ですか?
吉井さん:金属加工をする会社です。主な商品はヤンマーさんのディーゼルエンジンの主要な部品の加工をしています。エンジンの外側につくフライホイルやフライホイルハウジング、オイルパンという部品を始め、この10年15年は心臓部であるシリンダーヘッド、ハイドロリックベースなどディーゼルエンジンの性能を左右する部品を使用してもらっています。
記者:ヤンマーのディーゼルエンジンの重要な役割を担っているんですね。

吉井さん:はい。一番大きな事業は川崎重工業さんのパワーショベルに搭載してされている油圧ポンプのレギュレーターという部品で、パワーショベルを制御する役割をしています。川崎重工業の油圧ポンプは世界のショベルの6割から7割に搭載されているんです。
記者:ということは、世界の半数程度のショベルに御社の部品が使われているんですね。
吉井さん:はい。最近は、新たな技術開発として川崎重工業さんが手掛ける国内初の手術支援ロボット「hinotori」のためにアルミダイキャストという技術を使って製作した部品を9点提供しています。
記者:今までは農業機械や産業機械をの部品だけを作っていたが、今年からはロボットや医療機器の分野へ向けた新しい取り組みをされているんですね。

記者:創業は1962年ですよね。
吉井さん:はい。ただ1998年に1回倒産しているんです。私が入社して2年目の頃でした。
記者:そうなんですね。倒産から再生に向けたお話を聞かせてもらえれば。
吉井さん:倒産を機に経営陣がいっせいに変わりました。元々、今の吉本社長も経営陣もプロパーの社員だったんです。そこからみんなで経営をしていこうという流れができ、倒産してすぐに「トータルマネージメントトゥギャザー(TOMATO活動)」により従業員全員経営を掲げています。
VM活動 「会社の利益や目標・仕事の評価を見える化する」

記者:ヴィジュアルマネージメント(VM活動)の取り組みについて教えてください。
吉井さん:経営の指標も全て従業員に見える化しようということに。会社の利益や目標。仕事は大変なので、なんのためにしているかを社員一人一人が理解することが仕事への向き合い方にも繋がると思っている。日々の自分の仕事の成果がどれだけ利益が出たか知りたいと思う。
記者:利益まで教えているのは珍しいですね。
吉井さん:各製造ラインごとの目標の利益に対してどうだったかも伝えています。
吉井さん:褒めるって難しいんです。例えば生産目標が50個の場合、45個だったら「なぜ5個できなかった?」となる。もし50個できた場合は「問題なし」ということでスルーになってしまう。なかなか「50個頑張ったね」とはいかないが、生産実績も日々評価していて、ボードに赤TOMATOを張り出すことでモチベーションアップにつなげています。
採用の壁は「BtoB企業の知名度の低さ」

記者:採用で心掛けていることや工夫していることはありますか?
吉井さん:長浜の会社はいい会社であってもBtoBの会社で知名度が低い。そういう意味で学生の採用活動は苦戦しますね。新卒以外にもアルバイトや派遣社員も評価して社員への登用もしています。
記者:どうしてもtoC向けの会社の方が目立つので知られていますよね。でも湖北はtoBのすごい会社が多いですよね。
吉井さん:そうですね。学生の就活生に向けては、地域の7社が集まって就活イベントを開催しています。知名度不足を個社ではなく地域で補おう!と。学生からの質問をバンバン受けて、それをホンネで答えていくというもので、このイベントを通じて入社する人も学生もいるんです。

記者:会社の平均年齢はどのくらいなんですか?
吉井さん:平均年齢は30代後半。20代の割合が多いです。
記者:勤務地は長浜に工場が2つあって、米原に1つあるんですね。男女の割合は?産休や育休のサポートはどうですか?
吉井さん:現場は男性が多いです。スタッフは女性が増えてきました。産休については現在1人利用していますが、パートも含め多くの女性社員が産休、育休を利用してくれています。
《社員さんへのインタビュー》
サポートセンター 総務グループ 甲斐沼さやかさん

現在23歳。地元は長浜。京都橘大学卒業後、2020年に入社。滋賀県の南部や京都、大阪での就職も考えたが、最終的には地元で働きたいとの思いが強くなり入社。
記者:甲斐沼さんは入社2年目なんですね。現在はどのような業務を担当しているんですか?
甲斐沼さん:総務グループで人事を担当しています。長浜工場の勤怠処理、全社の保険関係の申請、作業服の管理、最近は採用活動をしています。
記者:2年目で採用活動されてるのはすごいですね。どういうきっかけで入社されたんですか?
甲斐沼さん:元々、ものづくりをする会社がいいと思っていました。地元をでたいと思っていて、京都や滋賀南部で探していたが、次第に地元で実家から通えるところに魅力を感じて、湖北でものづくりをしている会社を探していて弊社に出会った。
記者:どうやって情報を集めて会社を選んだ?
甲斐沼さん:就活サイトや大学内部で行われていた説明会でブースを見に行きました。その時に対応してくれた採用担当者が今の上司です。
記者:事前に工場など見にこられたんですか?
甲斐沼さん:はい。
記者:将来やっていきたいことはありますか?
甲斐沼さん:採用活動に関わり始めたばかりなので、もっと学生一人一人と深い関わりを持って引き込めるような採用活動を考えれたら。人事の仕事としては、社内の従業員が働きやすい環境を少しでも働きかけることができれば。コロナが収束したらイベントなどを企画して、少しでも活気付けることができればと考えています。
採用のキャッチフレーズは「やんちゃ、集まれ。」

最近の若者はおとなしい人が多い印象があります。
でも一人一人とじっくり話すといい考えをもつ人が多いと思っています。
物づくりの事業だが、文系の人などたとえ専門的な知識がなくても、自分の考えを発信できる人(=ヤンチャなひと)は活躍できる会社です。