大塚産業グループは1700年代初頭に創業。​​長浜地方において麻蚊帳の生産から始まる。その後、自動車産業に乗り出し、1987年には、「大塚産業クリエイツ(株)」「大塚産業ソーイン(株)」「大塚産業マテリアル(株)」「大塚産業インテリア(株)」の4社に分社。

今回は、大塚産業クリエイツ株式会社のグループスタッフ事業部の大塚敬史課長や社員の方にお話を伺います。

《グループスタッフ事業部 大塚敬史課長へのインタビュー》
「創業300年の歴史・風通しの良い会社づくりを目指して分社」

記者: 本日はよろしくお願いします。早速ですが、事業について教えてもらえますか?

大塚課長: 創業から300年ほど。江戸時代には長浜で麻の蚊帳の生産をしていました。昭和の後期には住宅環境の大きな変化で、一般家庭にもどんどん網戸やクーラーが普及し、売り上げが激減したことで、新しい事業を始めることになり、自動車産業に乗り出しました。


昭和62年にひとつの会社を4つに分社。ホールディング化(親父会社・子会社)ではなく、横一列でそれぞれに法人化しています。先代の会長にお聞きした分社の理由は「風通しの良い会社づくり」のためだと。ひとつの会社に社員が数百人いると社長と社員との間に壁ができてしまうので、気軽に意見を言いあえる組織を作りたい。「分社して社長が4人に増えたら耳が8個になるだろう」と。あとは各社で競い合うため。少数精鋭になるが、頑張った分、業績への対価としてボーナスも支給しています。

各社の事業内容と今後の展望

記者:4つの会社について教えてください。

大塚課長: 4つのうち「大塚産業クリエイツ(株)(以下、クリエイツ)」はグループ全体の総務・経理・人事など事務職を主とした会社で、その他3つの会社は製造部隊になります。

「大塚産業ソーイン(株)(以下、ソーイン)」「大塚産業マテリアル(株)(以下、マテリアル)」は自動車関連。「ソーイン」はトヨタグループであるトヨタ紡織(株)の第一下請けとしてトヨタのアルベル、ノアボクなど最高級ミニバンから中堅ミニバンまで幅広く仕事を任されています。「マテリアル」は国内全自動車メーカーさんに製品を使用いただいております。シートの表皮やヘッドレストやその中の部品などを製造しています。一部の製品に関しては国内市場の 7割を占めており、ナンバーワン企業であります。

「大塚産業インテリア(株)(以下、インテリア)」は住宅関連で住友林業さんの専属で下請けをしている施工業です。

最近の新しい事業としては、大手電機メーカーの商品パッケージを作っています。立体的な成形の技術がいるので声をかけてもらうことができた。今後も持っている技術を使って、いろんな分野への発信をしていきます。

「3年以内の離職率は0%」採用の取り組みとは

記者:採用の取り組みについて教えてください。

大塚課長:毎年コンスタントに採用をしています。間が空いてしまうと自分の後輩が入ってこないことでモチベーションが下がることがあるからです。加えて社長からは「同期を作らないといけない」と言われています。「同期同士で相談ができるように」と。

特徴的なのは内定の前に5日間の就労体験(アルバイト)を行っていることです。普通の社員と同じように8時〜17時まで働いてもらっています。理由は一般的に3年以内の離職率が高いと言われていることから、就職後のミスマッチを避けるためです。実際に一緒に働く現場の人や現場の雰囲気に合う合わないなどをアルバイトをすることで味ってもらいます。

そして4月の入社の時にはすでに現場の人とのコミュニケーションができているんです。そのお陰か、当社は3年以内の離職率は0%です。残念ながら昨年はコロナの関係で就労体験ができませんでした。

記者:社員さんの年代はどんな感じなんですか?

大塚課長:会社ごとに違うんですが、「クリエイツ」は総務・経理・人事など事務系の仕事が主で、毎年採用ではなく、年齢層は割と高めです。「マテリアル」「ソーイン」はここ近年は毎年採用で20・30代の若手社員が多く、若手が中心になって働いており、活気があります。

記者:入社後のキャリア形成はどのように築けますか?

大塚課長:4つある会社間の移動ができるので、その中でどんどん経験を積むことができる。先代社長からも1人で何役もできるように「スーパーマン」になれと言っていたんです。これは現場を活性化する・マンネリ化をなくすことにつながります。

ここからは、入社2年目で「ソーイン」の製造部で働く東さんにお話を聞きます。

《社員さんへのインタビュー①》「大塚産業ソーイン(株) 製造部 東 佑弥さん」

地元は長浜市。京都橘大学大学卒業後、2020年に入社。

記者:入社のきっかけを教えてください。

東さん:学生時代は経営学科に所属していて、日本を代表する「トヨタ自動車」の経営に興味を持ち、卒業論文のテーマで調べることにしました。そこで、自動車業界が面白そうだなと思い始めました。職業安定所で「地元」にある「自動車関連」の会社を探していて、当社を見つけたことがきっかけです。

内定をもらって、「ソーイン」で体験就労した時に、先輩に分からないことを聞いても快く教えてもらえる職場の雰囲気の良さと、自分がしっかりしないと他に迷惑がかかる仕事だということがわかりました。責任感を持って仕事に取り組みたかったので、自分に向いていると思い、入社を決めました。

記者:同期はいるんですか?

東さん:はい、1人います。先輩に分からないことは聞けるんですが、悩んでいることなどは同期の方が相談しやすいので、同期の存在は本当に大きいです

記者:今はどんな内容の業務をされているんですか?

東さん:「協力会社への払い出し」と「製品在庫の管理」の仕事をしています。協力会社への払い出しとは、車のシートの原材料を自動裁断機にかけて、裁断されてきたシートの材料(裁断品)とシートカバーにつける部品や縫製する糸などを縫製をしてもらっている協力会社のトラックの便に詰め込むという仕事。何かひとつ部品を乗せ忘れると、縫製ができなくて納品が1週間遅れてしまうので、責任のある仕事です。納品スケジュールに合わせてトラック便に載せる手配をしています。

記者:今後の目標はありますか?

東さん:1年目は仕事を覚えるだけで必死でした。ある程度1人で仕事ができるようになった2年目はイレギュラーなことがあった際でも、慌てず冷静に問題を解決できるようになりたいと思っています。

ここからは、「滋賀国体に出る選手を応援、滋賀国体を盛り上げたい」という思いから会社が採用した滋賀国体のフィールドホッケー強化選手である中川さんにお話を聞きます。

《社員さんへのインタビュー②》「大塚産業マテリアル(株)産業資材部 中川 杏香さん」

 

地元は米原。岐阜県の大学卒業後、2020年に入社。2025年の滋賀国体の強化選手として選ばれている。

記者:入社のきっかけは何ですか?

中川さん:小学校4年生からフィールドホッケーをしていて、コーチが「スポナビ」というスポーツ学生のための就職支援サイトを教えてくれたことがきっかけです。そこに大塚産業さんの名前があって、ホッケーをしながら仕事ができる環境を作ってくださると知り入社しました。昨年から「滋賀クラブ」という団体に所属しています。

記者:実際にフィールドホッケーと仕事の両立をしてみてどうですか?

中川さん:社会人のチームなので、土日のどちらかと平日に一日練習があります。平日に練習がある時は残業をせずに定時で帰らせてもらっています。

記者:「マテリアル」では、どのような業務をされているんですか?

中川さん:輸出業務をしています。ベトナムや中国からの材料を輸出入のやり取りをしています。

記者:社内でのコミュニケーションはどうですか?

中川さん:分からないこともしっかり教えてくれださるのでやりやすいです。

記者:会社での目標やご自身の目標は?

中川さん:仕事では発注ミスなどがないようにしたいです。

フィールドホッケーでは、5年後の滋賀国体に向けて帰ってきたので、国体に向けてしっかり体づくりをして、結果が出せるようにしていきたいです。

採用コンセプトは「何もいらない熱いハートがあればいい」

製造業は「資格がいる」「理系じゃないとだめ」「男性だけ」という風に思われているが、資格はなくても良い。入って覚えたら良い。たとえ即戦力でなくても「やる気」「熱意」「情熱」さえあれば来てほしい。

と、採用を担当する「大塚産業クリエイツ(株)」のグループスタッフ事業部の大塚課長は言います。

創業から300年。規模が拡大していく中で、確かな技術をもちながら若い力の採用に力に意欲を見せ、成長し続ける企業です。

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